不動産に投資をする際は、毎月あるいは毎年コンスタントにかかるコストだけに着目しがちですが、数年もしくは数十年に一度かかるコストも考えて計画をたて積み立てなど事前に準備しておきましょう。
収益不動産における臨時コストの主なものは、建物を維持していく上での修繕費用です。
不動産投資は、所有している不動産を第三者に賃貸することで、家賃収入を得ることが目的となっていますので、安心して使用する事のできる良質な建物を提供することが収益を確保するためのポイントとなります。
また、資産価値を高めるためにも良質な状態で建物を維持するのは、大切なことです。
建物は年数とともに老朽化してきますので定期的なメンテナンス(修繕)が必要となります。
1棟の賃貸用建物に投資をした場合、前述のような建物全体を維持する為の修繕費用に加えて、実際、借主が使用している賃貸部分(専有部分)の修繕も必要となります。
借主との契約期間の満了や中途解約などにより、借主が入れ替わる場合の修繕費用は借主と特別な約束がないかぎりは、通常、貸主が負担することとなります。
特に居住用の建物を賃貸している場合は、入居者が退出すれば、室内のクリーニングや畳の表替え、クロスの張替えやカーペットの張替えなどのリフォーム代金のほかに、場合によっては、洗面台やキッチンの流し台、給湯器など交換しなければならない場合もあります。
これは借主の故意や過失によるものでない通常の生活において損耗するものであるかぎり、貸主の負担となります。
かつては賃借人から入居時に預かった敷金を原状回復費用と称して入居者入替え時の修繕費用に充当している貸主が多かったようですが、原状回復の定義と費用負担をめぐり賃借人とのトラブルが頻発したため、平成10年に国土交通省が主導となり改めて原状回復費用負担についてのありかたを示したガイドラインを作成しました。
このように明確なガイドラインが示された事から、特に賃貸住宅に投資した場合には入居者が入れ替わる度に必ず修繕費用負担が発生すると考えなくてはいけません。
特約によって退居時の原状回復費用を借主に余分に負担させる事も実務的には可能となりますが、賃貸住宅の競争が激しい現在においては決して得策とはいえないでしょう。